学習塾の教室長時代に英語で苦しんでいる数多くの生徒を見てきた。
俺も元々英語が全くできない中学生だったから気持ちはよく分かる。
そもそも「英語が全くできない」の定義ってなんだよ!
と思うかもしれない。
英単語を全く覚えていない?
三単現の”s”をいつも付け忘れる?
俺は、『英語が全くできない』=『疑問文を作れない』だと考えている
疑問文は英語の基礎を理解していないと作れない。
だから、『疑問文を作れない』=「英語の基礎を理解していない』ということになるわけだ。
英語に自信のない人は英文法のテキストをパラパラとめくり疑問文の作文問題をいくつか解いてみてほしい。
英単語や熟語の不正解であれば問題ない。そういった子はとにかく単語帳を復習しよう。
では、危険な子たちはどういう状況だろうか?
危険
- be動詞の位置
- do/doesの位置
- 主語の位置
- 疑問詞の位置
これらに誤りがある場合、放っておくと取り返しのつかないことになるかもしれない。
残念ながらこういう生徒は多くいる
疑問文を作る上で必要な知識はコレだ
冒頭で疑問文は英語の基礎を理解していないと作れないと解説した。
その理由は疑問文を作る上で、
ポイント
Be動詞と一般動詞の区別ができている
ことが前提になっているからだ。
Be動詞と一般動詞の区別ってかなり基礎的なことだということに異論はないと思う。
アルファベットの次に習うほどの内容だから。
実はBe動詞と一般動詞を区別していないと疑問文を正しく作ることはできない。
では、疑問文を作る上でそれぞれの動詞の特徴を見ていこう!
Be動詞の場合
主語の前にBe動詞を移動、あとは元のまま
(例)You are happy.
↓
Are you happy?
一般動詞の場合
Do/doesを主語の前に出現させて、一般動詞は元の位置で原型
(例)She plays tennis.
↓
Does she play tennis?
このようにBe動詞と一般動詞では疑問文の作り方に大きな違いがある。
だから正しく疑問文を作るためにまずはBe動詞と一般動詞を区別しよう。
ポイント
疑問文を正しく作るにはBe動詞と一般動詞を区別する必要がある!
Be動詞と一般動詞の違いとは
一般的に学校では、
Be動詞は『is』『am』『are』で一般動詞はそれ以外
といったように習うはずだ。区別自体はそんな感じに覚えていれば問題ない。
ところが日本語から英文を作る時、上記の覚え方だと苦戦する。
A 太郎は学校に行きます。
B 太郎は学校の先生です。
どちらも非常にシンプルな文だが、このレベルでも間違えてしまう子はゴロゴロいるぞ。
Aの文は一般動詞『go』、Bの文はBe動詞『is』が使われる。
Be動詞と一般動詞の区別ポイント
- 日本語を見て動作を表す言葉がある場合→一般動詞
- ない場合→Be動詞
やや強引だがこう覚えておけばOK
Aの文には『行く』という動作を表す言葉が含まれている。
一方、Bの文はどうだろうか?
『です』は動作ではない。
Bの文のように動作を表す言葉がない文にはBe動詞が使われる。
動作を表す動詞のことを一般動詞、『です』のようにイコールを表す動詞のことをbe動詞と区別しよう。
疑問文を作る考え方のプロセス
まずは動詞を見つけよう!
英作文であれ並び替え問題であれ、まずは動詞に注目することが重要だ。
①彼らは数学を教えます
②彼は先生です
①の文は『教える』という動作の意味が含まれているから一般動詞の文となる。
一方、②の文は動作を表す動詞が含まれていない。
『彼』と『先生』とイコールで結ぶ『です』という言葉あるからBe動詞の文ということが分かるはずだ。
Be動詞の場合はそのまま前に!
Be動詞の疑問文の作り方
Be動詞を文章で使われている形(is/am/are/was/were)のまま主語の前へ移動
先の②の文『彼は先生です』で説明してみよう。
肯定文を書くと、
He is a teacher.
となる。
Be動詞をそのまま主語の前に移動すればいいから、
Is he a teacher?
とすればOKだ。
一般動詞の場合は前に『Do』が出現
一般動詞の場合、Be動詞のようにそのまま主語の前に移動とはいかない。
一般動詞の疑問文の作り
主語の前に『Do』を出現させて元の動詞はそのままの位置で原形にする
こちらも先の①の文『彼らは数学を教えます』を使って説明する。
肯定文を書くと、
They teach math.
となる。
主語の前に『Do』を出現させて動詞『teach』は元の位置のままに。
Do they teach math?
と疑問文が作れた。
おや?と思った人もいるかもしれない。作り方で『原形』にするとわざわざ書いた理由がここにある。
これが英語が苦手な方がよくミスする要注意ポイントだ。
①の文の場合、肯定文で『teach』という元から原形の形で使われていた。だから、意識することなく『teach』とそのまま元の位置に置いてあげるだけで良かったのだ。
ところがそうはいかないケースがある。
注意
『三単現の"s"の文』と『過去形の文』は注意が必要!
三単現の"s"の文の場合
前に出現させる『Do』が『Does』に変わる
先の①の文『彼らは数学を教えます』の主語を彼女に変えてみる。
She teaches math.
肯定文は上記のようになる。
『teach(es)』と三単現の"s"が付いていることが分かる。
この場合は、主語の前に『Does』を出現させるから、
Does she teach math?
と疑問文を作ることができる。
この時、sheの後の『teaches』が『teach』と原形になっている点がポイント!
過去形の文の場合
前に出現させる『Do』が『Did』に変わる
①の文章を『彼らは数学を教えました』と過去の文にしてみよう。
肯定文はこのようになる。
They taught math.
(※taughtはteachの過去形)
過去の文なので主語の前に『Did』を出現させ、
Did they teach math?
と疑問文を作ることができる。
theyの後の『taught』が『teach』と原形になっている点がポイント!
疑問文ができない子に対して保護者ができること
もし、集団塾に通っているようでしたらすぐにでも辞めさせてあげてほしい。
現段階では、個別指導塾で丁寧に教えてもらった方が良い。
個別指導塾に通っている場合、授業の内容を中1の最初からにしてもらってほしい。
いくら個別指導塾といっても、日々の授業は学校の内容に沿って進めていく。
ところが疑問文ができていない(=基礎ができていない)子が中2、中3の内容を進めても底の抜けたバケツに水を注ぐようなものだ。
夏期講習や冬期講習を待たず、今すぐにでも中1の内容を復習した方がいい。
当然、学校の進度とは遅れる形になるが将来的に損は絶対しない。
Be動詞と一般動詞を正しく理解すれば、あとは暗記で何とかなる。
俺も英語の概念的な存在であるbe動詞と一般動詞が曖昧だったから、相当苦労した。気づいたのが遅かったから中1、中2の英語は壊滅状態だった。
中3になってから死ぬほど勉強してなんとかなったが、逆に中1、中2の英語嫌いは一体なんだったのかと後悔している。
疑問文ができないという課題を早期発見できた人は本当にラッキーだと思う。是非、早いうちに中1の内容から復習しよう。
逆に英語が得意になるチャンスだ!
中学3年間分の英語をスピード攻略する方法は以下の記事にまとめている。
よければ是非参考にしてみてほしい。
それではまた。