俺はとある大手学習塾で教室長をしていた。誰もが知っているような学習塾だ。
そして今ではフリーランスとして家庭教師をしている。
塾で一生懸命勤務されている社員の方や教育関係者の方を否定するものでは決してない。
将来、独立して塾経営をしたい!
という人にとって、
とりあえず塾業界の社員として経験を積む
という選択肢はベストではないという趣旨だ。
俺自身が塾業界でのキャリアはアルバイトでの塾講師を除いて教室長しかないので、
塾業界の社員=教室長、スクールマネージャー
として話を進めていく。
転職後あなたを待ち受ける塾業界の闇
一に営業、二に営業、三四がなくて、五に営業。
まずはこれだ
俺自身、塾業界に来る前の業界で社内表彰を受けるセールスマンだったので営業にはそれなりに自信があった。
そして、学習塾も営利組織なので営業力が求められたりノルマがあるのは理解できる
イライラポイント
だが、教育と営利追求の相性は本当に良くない。というか評価制度がおかしい。
これだ。
給与や賞与は売り上げで決まり、合格実績は一切加味されないってどういうことだろうか。
僕の先輩であるMさんは東大や京大など難関大学に毎年たくさんの合格者を輩出している方だった。
数ある教室の中でもトップクラスの合格実績を生み出しているのにその学習塾での評価は最低でイジメにもあっていた。
理由は売り上げが前年を割っているから
意味不明だろ?
これが資本主義だ。
そうさ。教室長は教育者ではなくて営業マンなのだ。
教室長として勤務すればするほど、教育者としてのやる気がどんどん無くなっていくというのが塾業界の最大の闇。
生徒に勉強を教える存在ではないという事実
よく塾業界で働いていると伝えると、
すごーい、勉強教えているんですね
とお決まりの反応が一定数ある。
ところが、教室長は生徒に勉強は教えていない。
塾業界を検討している方の中には、
勉強を教えたい!
と思っている人も多いだろう。
そういう人にとっては残酷なお知らせだ。
がっかりポイント
残念ながら生徒に勉強を直接教えることはまずありえない
アルバイトの講師たちをヨシヨシしてやる気にさせて、生徒の学力を上げるよう管理するのがあなたの仕事だ。
教室長に求められるのは、
『教え方がうまい』だとか
『優秀な大学を卒業してる』だとか
そういうものではない。
人心掌握術が全てだ
マジで性格が悪くなる
受験生の時に通っていた塾の先生を思い出してみてください。
なんかネチネチしていたはずだ(失礼)
仕方がないのだ。
塾の基本は不安を煽って契約を獲得することにあるからだ。
新規契約、追加契約なんでもそう。
キミ、このままでは合格できないよ?
あら〜英語の成績が全然良くないね
指定校推薦だと大学に入ってから大変だよ
バカバカしい。いい加減にしろ!
ダメなところを探すスペシャリストになれるはずだ。
そして生徒は次の生徒を連れてくるネズミ講状態
コストがかからなくて決定率が高い集客って何かご存知?
はい正解!『紹介』だ。
通っている生徒にランクを付けていく。
この生徒はサッカー部で友達が多そうだからAランク!
とか、
こいつは陰キャだから紹介は見込めないな、Dランク!
といった具合だ。酷すぎるだろ?笑
そして友達が多そうな生徒に目星をつけて色々聞き出していく。友達の名前が出てきたらメモして紹介を見込めそうなリスト集め。
いわゆるリストビジネスってやつだ。
24時間365日働き続けろ!
常にいろんなところから連絡が来る。
保護者や本社の人までSNSがピコピコアホみたいに鳴りまくる。
そして土曜日は面談で埋まっていく〜。
嫌だなあ
と思いながらも断れない。なぜなら面談は契約のチャンスだから。
そして残業代は出ないし給料は低い。
ふざけるな!
塾経営者になりたいなら他でスキルを磨くべき
教えることの楽しさに目覚めて、
自分で塾をやりたい!
と思っている人。
こんな実態だが塾業界にとりあえず就職しとくか?
得られるものがほとんどないんだよな。
いきなり塾を立ち上げるにも集客するのが大変だから、ひとまずマーケティングを学びたいと考えている人もいるかもしれない。
そういった人に向けて俺がたどりついた答えを解説していく。
ココナラなら集客力いらない
ココナラは個人のスキルを売り買いできるサイトだ。
勉強を教えるということも立派なスキル
あなただけのサービスを考案して自分で料金を設定して販売することができる。
オンラインでのサービス提供となるため家賃もかからず自分でビジネスできる点がオススメポイントだ。
\オンライン指導でお小遣い稼ぎ/
出品も無料だし登録しておいて損はないぞ!
マーケティングならブログで学べる
開業しようとしているエリアにもよりますが東京だったら看板とかポスティングとかほとんど意味ないぞ。
圧倒的にウェブ集客が強すぎる。だから、
マーケティング=ウェブマーケティング
と捉えても差し支えない。
ウェブマーケティングはSEOやリスティングなど、
何それ?美味しいの?
状態の小難しい言葉がどんどん出てくるが簡単に言ってしまえば、
地域名+『塾』
でGoogleやYahooで検索した時にできるだけ上位表示されるように頑張ることだ。
上に表示されればされるほど見てくれる人が当然多くなるから、
問い合わせ来ます。儲かります。ありがとうございます。
こういう流れなわけだ。
で話を戻すが、
上位表示をさせるテクニックは塾じゃなくても磨ける
ということだ。
俺は個人ブログをおすすめする。
理由は誰かに雇われたりせず個人でできて人気が出れば収益にもなるからだ。
この辺りの解説はまたいずれしたいと思う。
俺は塾業界で月間20万PVというまあそれなりにすごいオウンドメディアをイチから作り上げたのだが1円にもならなかった。
悔しすぎる...
アルバイトで指導練習は行えばいい
あとは質の良い授業を提供するための練習だ。
先にも解説した通り教室長は授業をしない。教室長になるという選択肢は遠回りでしかない。
では、どうやって授業の練習をするか?
塾講師や家庭教師などをアルバイトで行えば十分
個人的には家庭教師の方がおすすめだ。
なぜなら保護者のお悩みが分かるから。
塾講師は基本的に保護者と絡む機会がないので、保護者がどんなお悩みを抱えているのか把握することが難しい。
一方、家庭教師であれば保護者との接点があるからお悩みを聞き出すことが可能だ。
そして、どうして保護者のお悩みにこだわるのか。
それはブログのネタになるからなんだな〜
ある保護者のお悩みは他の保護者の方のお悩みであることが多い。
そういったお悩みをブログで解決していけば多くの方に見てもらえ人気が出てくるという、こういうカラクリなんだねえ。
塾業界は闇だらけだから転職するな
どうだっただろうか?
当時を思い出しながら書いていたらヒートアップしていた。
もちろん嫌だったことばかりじゃないぞ
やっぱり生徒が合格したり成績が上がったりして嬉しそうな顔を見ると、
この業界で働いていて良かったな
と心の底から思っていた。
だから俺もまだこうしてフリーランスで家庭教師をしているわけだ。俺自身、この業界から身を引く気はさらさらない。
今回の記事を通して伝えたいことは、
自分で塾をやりたいなら組織に入るのは時間の無駄
ということだ。
降りてくる売り上げ目標を達成するために、生徒の見方や接し方をねじ曲げるのはもう懲り懲りだ。
本当に疲弊するぞ
もちろんフリーランスと言っても売り上げがないと生活ができないわけで多少の営業はする。
でも誰かに言われて強制的にされる営業とは全くの別物だ。
今は本当に毎日が充実している。
生徒の成績アップに本気でコミットできてるって感じられるから。
全く、辞めて良かったぜ!