中学生の保護者の方と話しているとこういうことをよく聞く。
早稲田に合格させたいからトップクラスの高校に進学させたい
もちろん考え方として間違っているとは思わない。
しかし、
あえて自称進学校に通わせる
という選択肢を選んでみるのも面白いのではないだろうか。
今回は俺がそう思うようになった理由をまとめていきたいと思う。
指定校推薦で早稲田に行くのが一番簡単
俺は自称進学校から早稲田大学に行くのが一番簡単だと考えている。
そのことを説明する前にひとまず早稲田大学に合格するための入試制度について見ていこう。
早稲田大学の入試制度について
まず最初に早稲田大学に合格する方法についてだ。
早稲田大学の入学センターが公表している『入試制度一覧』をご覧いただければ分かるかと思うが、早稲田への入学方法は以下の通り。
早稲田大入試制度
- 一般入試
- 共通テスト利用入試
- 自己推薦入試
- AO方式等による入試
- 公募制学校推薦入試
- 新思考入試
- 英語による学位取得プログラムへの入学試験
- 主として外国学生・帰国生を対象とした入試
- 指定校推薦入試
※学部によっては実施していない入試制度もある
各入試制度による合格者数
早稲田大学が発表している法学部のデータを参考に2021年度入試のそれぞれの入試制度の合格者数を見ていこう。
一般選抜 | 738 |
共通テスト利用 | 487 |
自己推薦 | なし |
AO方式 | なし |
公募制 | なし |
新思考入試 | 4 |
外国学生・帰国生 | 42 |
指定校推薦 | 149 |
早稲田には色んな入試制度がありますが合格者の大半は、
・一般選抜
・共通テスト利用入試
・指定校推薦入試
で占められていることが分かる。
指定校推薦は神だった
そしてこの中でペーパーテストなしで合格できるのが指定校推薦だ。
入学辞退者を除いたこの年の法学部の最終入学者数は744名。指定校推薦はその入試の性質上、辞退者はほぼいない。
ということは最終合格者のうち20%は指定校推薦での合格者ということが分かる。
いかがだろうか?
入学者のうち20%のパイを占めているペーパーテストなしの入試制度『指定校推薦』。
これはもはや一番簡単な入学方法と言って過言ではない。
ちなみに、
入学手続きの一環として大学入学共通テスト「英語、国語、数学(I・A)」の受験が必須となっております。
引用:早稲田大学入学センター
入学センターでは、このような記述がありますが合否には関係ないようだ。翌年以降の指定校を決定する際に使われるデータなのだろうか。
指定校推薦の仕組みについて
さて、ここまで指定校推薦の魅力について解説してきた。
ここで気になるのは、
どうやって指定校推薦を獲得するか
だと思う。
指定校推薦とは、大学側が指定した高校に合格チケットを数枚配り、
〇〇高校さん、今年は2名までお客さんを連れてきていいですよ
ははーっ
指定を受けた高校が合格チケットを希望者に配るというものだ。
△△大学の合格欲しい人〜
はい!
当然、人気な大学となると希望者数が事前に配られたチケット数をオーバーしてしまう。
で、オーバーした場合はどうやってチケットを配るかというと、
成績が優秀な人順
というわけだ。
中学校で「5」とか「4」とか内申点というものがあったはずだ。
あの数字の順番で決定していく。
そして無事合格チケットを勝ち取った生徒は、大学が実施する面接(お茶会)に参加して一般入試組より一足早く(12月くらい)合格を勝ち取るといった制度。
自称進学校だったら成績トップも狙えるかも
今、4とか5といった高評価を獲るのは難しいと思ったよね?
ここで、こちらの記事に登場した俺の友人、田中(仮名)について話したいと思う。
田中です
田中は俺と同じ自称進学校に通っていた中学からの友人だ。彼は真面目で大人しく目立たないタイプで中学の授業では挙手なんて一切しないような人間だった。
定期試験の結果はそこそこいいものの目立たないためか内申点はほとんど「3」。
そんな彼と俺は同じ高校に進学することになる。
田中くんはとにかく定期試験の前だけ本気で勉強していた。
定期試験は毎回クラスのトップ
内申点はオール5(体育以外)
うん。
つまり高校は中学と違って関心・意欲・態度とかほとんど関係ない。
ポイント
定期試験の出来=成績
こう言って過言ではない。
ところが彼には弱点が合った。
実力テストが苦手・・・
こういうのはなんですが、地頭がいいタイプではなかった。
確かに学校の成績はいいけど、模試の結果はあまり振るわず、みんなが「田中はどの大学に行くんだろう」だなんて気になり始めた夏の終わり。
早稲田の指定校推薦枠もらった
そそくさと受験生活に一人終止符を打っていた。
俺はこの時、こう思った。
受験がこんなに辛いなら定期試験の前だけ死ぬ気で勉強すればよかった
どうだろうか。
この昔話を聞けば、凡人でも真面目であれば高校内で成績トップを狙えると思えてこないか?
確かに都道府県屈指のスーパー進学校だと常に定期試験でトップを取り続けることが難しいかもしれない。
でも偏差値60前後の自称進学校の場合、ちゃんと対策をしていればトップは十分狙えるはずだ。
まさに田中くんと僕が通っていた高校も偏差値60の高校。そしてこの程度の高校にも天下の早稲田大学様から指定校推薦枠を貰えているのが事実だ。
とは言っても指定校は原則として毎年大学側が見直しを行なっている。だから、例年早稲田大学から指定校推薦枠を貰えている高校なのかは入学前に確認しておいた方が良いだろう。
注意
早稲田大学の指定校推薦枠がない自称進学校だってある→事前に確認要
「○○高校 指定校推薦枠」といった形で検索すると情報が結構出てくる。
都立のお買い得高校については以下の記事でまとめているので、是非読んでみてほしい。
都立大の指定校推薦枠はこちら!
早稲田大学の指定校推薦枠はこちら!
自称進学校から早稲田へ指定校推薦が一番楽説まとめ
どうだっただろう。
田中くんを馬鹿にしているのではない。高校の3年間、定期試験でトップを狙いすぎることは本当に大変なことだと思う。
しかし、一般入試組の冬の精神状況は本当に過酷だ。
もちろん辛いのは精神面だけではない。
人間ってこれほどまでに頭を使うことができるのかと驚くレベルで問題演習を行いまくる。高校受験がままごとのように思えてくるほどの量。
一方、田中は年末年始で家族旅行に行っていたようだ。
羨ましすぎるぞ、田中!
中学生をお子様に持つ保護者の方。
子どもに辛い経験は極力させたくないと思っているはずだ。
スーパー進学校に行って超人たちとしのぎを削って最終的に余裕で早稲田に合格するというプランも悪くないだろう。
でも、
ゆったりした環境の中で伸び伸びと早稲田を狙う方法がある
ということも高校選びの材料として知っておいてほしい。
それではまた。