指定校推薦

早稲田と慶應義塾のどっちが指定校推薦を狙いやすい?

指定校推薦を見据えた高校選びがかなり一般的になってきた。

これには定員厳格化受験生の安全志向などを背景とした私立大学の難化が大きく関わっている。

一般入試を敬遠したいという考え方が広まり、合格がほぼ確約されたような指定校推薦に人気が集まるのも当然だ。

中でも私立大学のトップである早稲田大学慶應義塾大学の指定校推薦事情が気になる人は多いと思う。

以前、都内で指定校推薦枠がある高校や早稲田・慶應の推薦入学者率をまとめた。

そこでまとめた内容を整理しながら早稲田か慶應のどちらが指定校推薦で狙いやすいのか今回は解説していく。

【結論】指定校推薦は早稲田の方が狙いやすい

結論からお伝えする形になってしまうが、

指定校推薦は早稲田の方が狙いやすい

というのが俺の感想だ。

俺はとにかく指定校推薦での大学進学をこれまでおすすめしてきた。

早稲田や慶應義塾だけでなくGMARCHの指定校推薦状況もまとめている。

そんな指定校推薦評論家である俺が集まったデータから考えると、早稲田の方が慶應義塾より指定校推薦が狙いやすいという答えに辿り着く。

早稲田の方が狙いやすい3つの理由

ではどうして早稲田の方が指定校推薦で狙いやすいのか解説をしたいと思う。

慶應の推薦枠がある高校がハイレベル

まず一つ目に慶應義塾大学の指定校推薦枠がある高校の偏差値が軒並み高いことが理由に挙げられる。

都内の都立高校と私立高校で早慶の指定校推薦枠がある高校を偏差値順にまとめてみた。

高校名の横に(都)とあるのが都立高校、(私)とあるのが私立高校だ。

推薦枠があっても枠数を公開していない高校は「?」としている。

また、私立高校で特進クラス、スーパー特進クラスといったように偏差値が複数ある場合、低い方の偏差値を今回は採用した。

高校名偏差値早大推薦枠慶大推薦枠
日比谷(都)70??
西(都)7053
国立(都)7073
桐朋(私)6964
国際基督教大(私)69??
青山学院(私)69 ?
戸山(都)6884
立川(都)6854
八王子東(都)68??
巣鴨(私)683 
青山(都)6774
城北(私)6773
中大附属(私)6712
新宿(都)6684
国分寺(都)66??
国際(都)66??
明治学院(私)66 2
小山台(都)6542
駒場(都)6571
成蹊(私)6574
國學院久我山(私)6561
帝京大(私)6533
創価(私)65 1
明大付属中野(私)65 3
竹早(都)6442
武蔵野北(都)64??
日本大第二(私)645 
町田(都)6313
淑徳(私)631 
順天(私)631 
青稜(私)6342
錦城(私)6271
成城学園(私)6211
東京農大第一(私)62??
小松川(都)61 ?
江戸川女子(私)6131
國學院(私)6121
桐朋女子(普)(私)6121
三田(都)6034
芝浦工大(私)602 
東京電機大(私)601 
拓殖大第一(私)601 
桜美林(私)60 1
北園(都)581 
白鷗(都)58??
玉川学園(私)563 
足立学園(私)56 ?
隅田川(都)55 ?
小平(都)531 
安田学園(私)51? 
日野(都)491 

早稲田・慶應いずれもレベルの高い高校に推薦枠が集まりがちだが、その傾向は慶應の方が顕著だ。

慶應は偏差値が60未満で推薦枠のある高校がわずか3校

偏差値60以上が慶應の指定校推薦枠を狙えるか狙えないかのボーダーだと分かる。

一方、早稲田大学は偏差値が60を下回っても6校あるので慶應に比べると指定校推薦は狙いやすいと言えるだろう。

早稲田は偏差値が60未満でも推薦枠がある高校が6校

早稲田の方が指定校推薦入学者が多い

次に早稲田大学の方が指定校推薦での入学者が多いことが「早稲田の方が狙いやすい」理由だ。

早稲田、慶應の2021年入学の指定校推薦入学者数を見比べてみよう。

 入学者数指定校推薦者数指定校推薦率
早稲田8512156118%
慶應義塾642064510%
塾おじ

割合にも注目したいところだが...

そもそも指定校推薦で受け入れている人数が圧倒的に違うのだ。

早稲田の指定校推薦入学者数は慶應の2.4倍

上でまとめた都内の高校の偏差値と推薦枠の表について、もう少し整理してみた。

具体的な推薦枠数を公開している高校にだけ着目をして、偏差値ごとに推薦枠の平均数を算出するとこのようなグラフが出来上がった。

偏差値が60と63の時に逆転現象は起きているもののそれ以外は早稲田の方が推薦枠が多いことが分かるはずだ。

まとめると、

指定校推薦入学者の数が早稲田の方が多い

高校一校あたりの推薦枠数が早稲田の方が多い

早稲田の方が指定校推薦で狙いやすい

こういうことになる。

慶應は興味のある学部を選びにくい

三つ目の理由は慶應義塾大学は指定校推薦制度を導入している学部が圧倒的に少ないことだ。

早稲田と慶應の各学部の指定校推薦制度の実施状況をまとめてみた。

早稲田大学

学部指定校推薦制度
政治経済学部
法学部
文化構想学部
文学部
教育学部
商学部
基幹理工学部
創造理工学部
先進理工学部
社会科学部×
人間科学部
スポーツ科学部×
国際教養学部

慶應義塾大学

学部指定校推薦制度
文学部×
経済学部×
法学部
商学部
医学部×
理工学部
総合政策学部×
環境情報学部×
看護医療学部×
薬学部

慶應は法、商、理工、薬の4学部のみが指定校推薦で入学を受け入れている。

早稲田と比較すると選択の自由度が低い。

何学部でもいいから慶應に行きたい

田中

という人にとっては関係がないかもしれないが、慶應は興味のある学部を選びづらいという点は事前に押さえておいた方がいいだろう。

慶應は指定校で行けるのが法・商・理工・薬の4学部のみ

早稲田か慶應か絞らなくても大丈夫(おすすめ高校紹介)

ここまで早稲田の方が慶應より指定校推薦を狙いやすいという点について解説してきた。

ここまで解説しておいて元も子もないのだが高校入学時から、

早稲田を狙うか?慶應を狙うか?

保護者

を決める必要は全くない

なぜなら、やるべきことは両者どちらを志望していようが同じだから。

早稲田も慶應も指定校推薦を狙うにあたって必要な労力は同じだ。

高校の成績を最高水準でキープすることが大事

成績を最高水準でキープしたその先に早稲田か慶應かの選択肢があるわけだから、とにかく定期テストに本気を出そう。

とは言っても、指定校推薦が「早稲田しかない高校」、「慶應しかない高校」があるのは事実だ。

選択肢を広げるためにも早慶両方の推薦が充実している高校を志望するのがベストだろう。

塾おじ

おすすめなのは以下の3校だ。

三田高校(偏差値60)

偏差値が60ながら早稲田3枠慶應3枠はお買い得。

慶應は三田高校のレベルを下回ると一気に推薦枠がなくなるぞ

成蹊高校(偏差値65)

早稲田7枠慶應4枠は魅力的過ぎだ。

偏差値が65と高めなところが気になるがまだ許容範囲。

竹早高校(偏差値64)

早稲田4枠慶應2枠

早慶どちらも複数推薦枠があるのは嬉しいところだ。

偏差値65を上回ると確かに推薦枠数がかなり多くなるのは事実だが、猛者たちが集まるので避けるべき。

早慶に指定校推薦で行って勉強についていける?

結論として勉強には全然ついていける

ただ、入学時点の学力は圧倒的に、

一般入試 > 指定校推薦

であることは否めない。

とは言っても大学の勉強は全く問題ない。

なぜなら、大学の勉強は高校の勉強とレベルが違いすぎて、入学時点の学力差は目くそ鼻くそだからだ。

そして指定校推薦入学者は真面目なケースがほとんどだから、一般入試組より成績がいいなんてことは容易に想像できるだろう。

ちなみに「指定校推薦は入学してから大変」というデマを流しているのは塾関係者だ。

塾おじ

詳しくは以下の記事にまとめている。

まとめ

早稲田か慶應かどちらが指定校推薦で狙いやすいかについてここまでまとめてきた。

指定校推薦は早稲田の方が狙いやすい

理由としては、

ポイント

  • 偏差値60未満の高校でも早稲田なら狙える
  • 早稲田の方が指定校推薦募集人数が多い
  • 慶應は行きたい学部に行けない可能性がある

この3点。

早稲田か慶應か早い段階で選ぶ必要はないが、

おすすめ高校

  • 三田高校(偏差値60)
  • 成蹊高校(偏差値65)
  • 竹早高校(偏差値64)

両方狙える意味でこの3校はおすすめ。

指定校推薦は大学に入ってから大変

全く事実でないので安心しよう。

以上が今回の記事で伝えたいポイントだ。

最後まで読んでくれてありがとう

それではまた。

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